新浜レオン×真田ナオキ×青山新
CS歌謡ポップスチャンネルで放送中の「演歌男子。」が10周年を迎えた。出演者の中から、真田ナオキ、新浜レオン、青山新の3人に番組と演歌の魅力を語ってもらおう…としたら、わちゃわちゃトークが止まらない! お互いのこと、歌のこと、番組のことが盛りだくさんの、なごやかで賑やかな座談会、開幕!
歌謡ポップスチャンネル 9/28 (土) 後4:00〜
3人が出会った頃の印象とファミリー感
——みなさんは、年齢では真田さんがいちばん上ですが、デビューは新浜さんが少し早いですよね。
真田 そうですね。ほぼ同期です。僕のメジャーデビューと新くんのデビューが同じ年(2020年)で、レオンくんが2019年だから、先輩ですね(笑)。
新浜 やめてください(笑)。僕、大学生の時にナオキさんのメジャーデビュー前のレコーディングを見学させていただいているんですよ。「へ〜え、レコーディングってこうやるんだ」ってそこで知って。
真田 レオンくんはその場で歌を覚えて、ブースの外だったけど一人で大熱唱して、周りのスタッフにガチギレされたんだよね(笑)。
新浜 言わないでくださいよ。芸能界怖いなと思いました(笑)。でもあの時、「いつかナオキさんとお仕事でご一緒する!」と思ったのを鮮明に覚えています。ですから、いまナオキさんの隣にいられるのはとても光栄なんです。
真田 新くんとはデビュー前に、レコード会社で会った時があって、ブレザー着て「(可愛く控えめに)よろしくお願いします」ってご挨拶してくれました。最近は「(軽めに)っす!」だけど(笑)。
青山 だんだんそうなりますよ(笑)。最初はナオキさん、ちょっと怖いなという印象でしたけど、お話しさせていただいたらそんなことなくて。いまはすごく「アニキ!」って感じです。
——ファミリー感がありますね。演歌の世界は先輩後輩の礼儀作法が厳しいのかと思いますが、実際はいかがですか?
青山 もちろん厳しいです!
真田 いや、それは新くんが言っちゃいけない(笑)。
新浜 彼は、ナオキさんのお師匠さんの吉幾三さんたち大先輩に誘っていただいた食事会の席で、酔っぱらって寝ちゃったんですよ(笑)。演歌の世界で一番に近い年下なのに。
青山 もちろんみなさんを大尊敬しています。けど、僕、お酒弱いんです。誘っていただいてうれしかったし、憧れの先輩のみなさんとご一緒できるってテンションが上がってしまって。みなさんお酒のペースが速いから、ついていこうとしたら、回っちゃったんです。
真田 僕はそのとき同席できてなくて。後日聞いたら、師匠はいい感じの勘違いをしてました。「新くんはお酒飲めないのに無理して飲んで寝ちゃって。可愛いよな」って(笑)。
青山 よかったー! そのあと吉さんのステージを見せていただいたり、楽屋にご挨拶に伺ったりできたので、ご立腹されてはいないだろうとは思ってましたけど。
新浜 青山さんのあの姿は忘れられないです。面白かったな。それに、この間伍代夏子さんとご一緒した時もベロベロになったって聞きました。「同じことしてるよ」と思いました(笑)。
青山 申し訳ないことに、抱きついちゃったみたいです(笑)。
真田 すごい……ピシッとした中に温かみがあるのが演歌界ですけど、それでもあんまり聞かない話です(笑)。でも、そういうレオンくんも、ふだんは礼儀正しいけど、天然炸裂系の話がありますよ。「れれれ事件」とか(笑)。
新浜 うわー(笑)。大黒摩季さんとご一緒させていただいたとき、あがって真っ白になっちゃって、代表曲「ら・ら・ら」が出てこなくて、「れれれ」って歌っちゃったんですよね。本気で怒られました。
真田 でも今は可愛がってもらってるでしょ。僕は人見知りだから、2人とも人なつっこくていいなあと思います。レオンくんは、うちの師匠とも縁があるんですよね。
新浜 小さいころ、吉さんの青森のご自宅で、一緒にお風呂に入らせていただいたことがあります。でも、それを言ったら、ナオキさんは吉幾三さん、青山さんは(作曲家の)水森英夫先生と、2人とも素敵な師匠がいらっしゃる。僕はいないんですよ。父は演歌歌手(髙城靖雄)ですけど。
青山 ありがたいです。水森先生の門下生には氷川きよしさんをはじめ、大勢の先輩方がいらっしゃいますから、とても勉強になってます。
新浜 羨ましいです。そういう仲間は。
真田 うちは月1回、(師匠と)一緒にご飯を食べるだけですよ(笑)。
青山 レッスンとかないんですか?
真田 ないんですよ。
新浜 それ、ばらしていいんですか?(笑)
それぞれの良さと演歌の魅力
——みなさんそれぞれの素晴らしいと思うところを教えてください。まずは真田さん。
青山 たくさんありますけど……(しばし沈黙)人を惹きつけるステージ力です。
真田 ひねり出したなー(笑)。
青山 違いますって。言葉にするのが難しいんですよ、感じるものだから。何度もステージを拝見して勉強させていただいてますけど、歌声はもちろん、唯一無二の存在感がすごい。華やかさや妖艶さを感じます。僕にはまったくないものなので、すごく憧れます。スタイルも抜群でいらっしゃるから、ステージ上ですごく綺麗です。
新浜 エロいです。演歌男子の中でもずば抜けてエロさがある。そのエロさでどんどん人を引っ張っていくんです。
真田 いろいろ言ってくれてる感を出してるけど「エロ」しか出てきてないよ(笑)。
新浜 男の色気ですって!(笑) そして、上下関係というか、人として大事なところはきっちりしていらっしゃる。
青山 まとめると「カリスマ性がある」ということです。
——新浜さんは?
新浜 それはちゃんと聞いとかないと(笑)。
真田 圧倒的キラキラ感です。演歌男子はみんな容姿端麗で当たり前に歌が上手くて、踊りができたりする子もけっこういますけど、ステージが明るく見えて、一緒にやってて楽しくなるのは圧倒的に彼です。
新浜 はじめて聞きました! ありがとうございます!
真田 ただ、頑張り屋なんだけど歌を覚えるのはマジでヘタです(笑)。でも、本番では何とかしちゃう。
青山 自分で作曲してごまかしたり(笑)。
真田 そのときも顔に出さないんですよ。対応力が本当にすごいと思います。
青山 本番に強いというのは、気持ちが強いんだと思うんですけど、ここぞというときにすべてを持っていきます。隅っこにいることがない。先輩方からも愛されていて、ちょっと軽い言い方ですけど〝ムードメーカー〟だと思います。
真田 僕らは「歌手」ですけど、彼は「芸能人」という感じ。たぶん、彼に会った人はみんなが彼を好きになると思います。
青山 人たらしです。
真田 そうそう。いい意味でそれだね。
——青山さんは?
真田 現代っ子らしく……っていうと言葉も古いけど(笑)、人との壁のとっぱらい方がうまい。羨ましいです。あと、すごい挑戦的な子だと思います。タップダンスをやったり、アグレッシブさがありますよね。それに、最初のころは「しゃべるのが苦手」と言ってたのに、最近はみんなの会話に一生懸命入ろうとしてる。めちゃくちゃ努力家なんだと思います。
青山 努力とは感じてないんです。1つ1つの現場で何かを得ようとする感じ。好奇心ですかね。
新浜 自分の色をしっかり持っていて、あんまりブレない。原曲があっても、いい意味でその曲に寄せすぎず、自分の特徴を生かした雰囲気にするのは、すごいカッコいいなと思います。それはナオキさんもそうなんですけど。
真田 新くんは顔がカッコいいよね! 山﨑賢人さんに似てるって言われない?
青山 ときどき言っていただきますけど、れ多いです(笑)。
——みなさんが思う演歌の良さは?
真田 僕は、20歳を超えてから演歌に出合って、その詞や世界観の品の良さに惹かれました。露骨に出さない奥ゆかしさは、演歌・歌謡ならではだなと思います。たとえば「津軽海峡・冬景色」は、たった2行で上野から青森まで行くんです。現代の曲ならその行程だけで1曲できると思います。それに、前半には人物が登場しない。(作詞の)阿久悠先生のものすごさだと思います。
新浜 僕は父が演歌歌手なので、好き嫌い以前に環境が演歌だらけでした。とはいえ、同世代はあんまり演歌を聞かないわけで、自分が何で演歌でデビューしたのかなと考えまして、やっぱり昭和の時代がすごく好きなんだなと思い至りました。コンプライアンス的にはいろいろありますし、時代に合わせることも必要ですが、昭和の人間味みたいなところに惹かれるんです。たとえば「駅の伝言板」なんて僕にはわからないモノですが、そういうものがあった時代に憧れが強いです。
青山 僕の周囲の友達は、やっぱりロックとか洋楽とかが好きな子が多くて、バンドも人気だし、音楽フェスに行ったりしています。でも僕は、祖母の影響で小さいころからずっと演歌が好きでした。イントロが流れてくると、遺伝子レベルで懐かしさを感じるんです。日本の伝統になっていくべき音楽だし、残していくものだと思っています。日本人なら、自分は経験してなくても共感できるものが絶対あると思うんですね。表現がすごく豊かですから。独特のコブシも、ここに入ったら気持ちいいよなってところに入るんです。僕がよく「かゆいところに手が届く」と例えるのはそういうことです。
——その演歌を届ける「演歌男子。」という番組に対しての思いは?
真田 僕は、デビューして最初の収録がこの「演歌男子。」でしたから、特別な思いがあります。とても大切なものです。
新浜 僕はデビュー前、この番組のコンサートを見させていただいているんです。ポップスがあったりするとても楽しいステージで、演歌・歌謡のファンの方はもちろん、若い方やそれほど知らない方にもしっかり魅力を届けられる、いいきっかけの場だと思いました。「このステージに仲間入りしたい!」と思っていたので、こうして加えていただけて、すごくうれしい。そして、同世代のみなさんと、演歌を広く届けることに取り組ませてもらえて、本当に感謝しています。
青山 今回テレビ放送されるのはコンサートという形ですが、ふだんの番組はいろいろな企画を通して、歌以外の僕らの一面をお届けできます。演歌にあまり興味のない方にも、僕らに触れていただける場だと思いますので、先輩方が築いてくださったこの流れを止めずに、この先15年、20年と続けていきたいです。
真田 この場をご用意いただけるのは大変なことですが、続けることはもっと大変。僕ら出演者はもちろん、スタッフの方々、見てくださる方々、みんなの力と努力がないと、続けられないと思います。せっかくいただいたこの場を後輩にもつなげられるよう努力して、もっともっと演歌・歌謡と「演歌男子。」を盛り上げていきたいです。