闇ビジネスから抜け出したい3人のスリリングな逃走劇
10月24日(金)公開
犯罪組織の手先として戸籍売買をしているタクヤと、タクヤの弟分マモル。タクヤが唯一頼れる運び屋の梶谷。闇ビジネスから抜け出そうとする3人の逃走劇がスリリング。歌舞伎町で刹那的で退廃的な生き方をしている若者が、犯罪と暴力にまみれながら、もがく。あらがう。生きようとする。そこには悪に染まり切らない優しさと、仲間を思う温かさがある。それを絶妙なバランスで描き切った脚色(向井康介)と演出(永田琴)の素晴らしさよ。タクヤの身に起きた事件のその後の展開と描写も秀逸で、鑑賞後の余韻もひとしおだ。若者よ、“未来を選べ”! 原作は西尾潤の同名小説。
ここに注目! 北村、林、綾野の芝居に胸がアツくなること必至
タクヤ役の北村匠海、マモル役の林裕太、梶谷役の綾野剛。それぞれがハマり役で素晴らしい芝居を見せてくれる。キャラの関係性もエモーショナルで、タクヤとマモル、タクヤと梶谷の食事シーンにも注目してほしい。
原作/西尾潤 監督/永田琴 脚本/向井康介 主題歌/tuki. 出演/北村匠海、林裕太、山下美月、矢本悠馬、木南晴夏、綾野剛 25年/130分/日本 配給/THE SEVEN、ショウゲート
文/熊谷真由子
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