岩田剛典が初の教師役で映画『金髪』に主演した。校則に疑問を抱いて髪を金色に染めた生徒たちに右往左往する中学教師を描くコメディー仕立ての人間ドラマ。のらりくらりと「大人の対応」で人生を送っていた30代の主人公は「若さへのうぬぼれ」に気づかず、恋人からは結婚という現実、友人からは中年に向かっている現状を突きつけられる。岩田にとっても身の丈に近い男の物語であり、他人事では片づけられないペーソスとユーモアがいっぱい。一個の人間としても俳優・岩田剛典の魅力が新たに輝く痛快作が誕生!
11月21日(金)公開
監督は『ピンカートンに会いにいく』『決戦は日曜日』などで知られる坂下雄一郎。その坂下作品の中でも、この『金髪』はトップクラスの仕上がりと言っていい。岩田剛典にとっても、さぞややりがいに満ちた仕事だったのではないかと推察される。
「本当に撮影している時からやりがいを感じていました。すごく楽しい現場でしたね。坂下監督はお若い監督で寡黙だったりするんですけど、現場では迷いがなく、ご自身が撮りたいと考えているものがはっきりしている方でしたので、ご一緒していて刺激的でしたし、気持ちがよかったです」
その「やりがい」の中には、演じる教師・市川への面白みもあったのではないか。
「ええ、まさに。脚本の面白さと、そこに描かれている役柄へのやりがい、それがオファーを受けさせていただいた理由ですね。会話劇として見せどころが多い脚本で、それ相応の準備をして撮影に臨みました。自分の中でもこれだけのテンポ、台詞量、そしてコメディーというのは今までやったことがないタイプの役と作品でしたので、大変でしたけど、すごく楽しいチャレンジでもありました」
物語は、中学教師・市川(岩田)が担任を務める学級の生徒が大挙として髪を金色に染め、登校してくるところから動き出す。全ては黒髪を強制する校則への疑問、不満から生まれた行動だった。学校内にとどまらず、ネットやSNSを通じて世間にも飛び火してしまった騒動に対し、市川は自身に被害が及ばないように事態収拾を図ろうとしていく、というもの。
「僕も昨日、染めたんですけど(笑)。僕は髪の色、髪型はファッションだと考えています。その人の個性ですし、その人が周りからどう思われたいか、じゃないかなと。あとは、そういう自分が好きになれるかどうかだと思います。僕としては〝自由にしたら?〟っていう感じです。似合えばいいんじゃないかなと思うし、僕自身、髪を染めると気分が変わりますから。めっちゃ変わります、すごく変わる(笑)。昨日の夜に染めるまでは暗めの茶色でしたけど、鏡に映る自分の顔を見ると〝あ、雰囲気が変わったな〟って思いますし、気分もいい感じになります。映画の中の生徒たちは染める理由も違うし、オシャレをするっていうことでもないですから、ちょっと比較できないですけど。ただ、昭和の時代とかよくあったと思うんですよ、髪を染めると不良、みたいな感覚。この映画はそういうのを風刺している題材ですし、昔は(髪を染めるというのは)よくないものの代名詞みたいな感じだったんでしょうね。でも、今は違う時代になってきているんじゃないかな。この映画は〝そういう校則って意味あるの?〟っていうのを今の時代から見直していて、その切り口が僕は面白いなと感じました」
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写真/福本邦洋 文/賀来タクト ヘア&メイク/ SHIMOKAWA SHINYA(BERYL)︎ スタイリスト/ YASUHIRO WATANABE
1989年3月6日生まれ、愛知県出身。三代目 J SOUL BROTHERS のメンバーとして活動しながら、俳優としても活躍中。近作に映画『聖☆おにいさん THE MOVIE ~ホーリーメン VS悪魔軍団~』(24年)『パリピ孔明THEMOVIE』(25年)、テレビドラマ「フォレスト」「 DOCTOR PRICE 」(25年)など。映画『新解釈・幕末伝』(12月19日)が公開待機中。
「金髪」
監督・脚本:坂下雄一郎 出演:岩田剛典、白鳥玉季、門脇麦、山田真歩、田村健太郎、内田慈
クロックワークス配給 11月21日公開
©2025 映画『金髪』製作委員会
