犯罪歴のある青年と脳性まひの女性の純愛を描き、各国の映画祭で高評価を得た映画『oasis』。その世界初となる舞台化作品に、丸山隆平が挑む。共演は世界的ダンサーにして女優の菅原小春。衝撃的な愛の形を、舞台でどのように演じるのか? 社会になじめない青年という役に臨む気持ち。そして俳優としてのスタンスについても話を聞いた。
3月14日~30日 東京・サンシャイン劇場 4月4日~12日 大阪・森ノ宮ピュロティホール 4月17日~19日 愛知・東海市芸術劇場 大ホール
出演が決まったと聞いた時はめちゃくちゃ驚きました
丸山隆平が主演する舞台『oasis』の原作は、2002年に製作された同名韓国映画。前科者の青年ジョンドゥと脳性まひの女性コンジュという、社会から疎外された2人が周囲に気づかれないまま惹かれ合っていくストーリーだ。いわゆる〝常識〟には当てはまらない2人の関係性を描く中で、正しさとは、愛とは何かを問いかける問題作。そんな衝撃的な作品の世界初、舞台化作品で主演を務めることになった丸山。その思いは?
「演出の山田佳奈さんとは、長い付き合いで。僕のソロ曲『ヒカリ』(アルバム『8BEAT』収録)のMVを撮ってもらったんですよ。『いつか、一緒に舞台をやりたいね』って話もしていて。そんな中、佳奈さんから人生で一番好きな映画として『oasis』を紹介してもらったことがあったんです。僕も見て『すごくよかった!』って感想を伝えて。そしたら、後日お会いした時に『舞台でできることになった』って聞いて。その時は『いいじゃないですか! 僕、見に行きますわ!』って話してたんです。しばらくして事務所から次の舞台に『oasis』が決まりましたと言われて。『それは佳奈さんがやると聞いてるけど?』って言ったら、『その佳奈さんの舞台です』って。あれはめちゃくちゃびっくりしましたね(笑)」
彼が演じるのは、社会になじめない青年ジョンドゥ。普通に生きようとしても、どうしても常識からはみ出してしまうジョンドゥに、周囲の目は冷たい。
「本能のまま行動してしまうところがあって。とても素直で優しい人間なんだけど、周囲の人からは間違って受け取られてしまう。考える前に動いちゃうから。それがジョンドゥの個性やとは思うんですけどね。素直すぎるゆえに道を踏み違えてしまうという。きっと本来、人間そういう部分は誰しも持っているものだと思うんです。でも、我慢したり、隠したりする生き物だから。そういう彼が美しくも見えてしまうのは、きっとそのピュアさがゆえなんですよ。ただ、そのピュアさって時に相手を傷つけもする。〝常識〟 の中で生きてる僕たちは、一度、行動するかしないかを脳で考える。ジョンドゥは、その回路がちょっと欠けているだけなんやろうな。今のところはそういう人物やと捉えています」
ただし、「役者としては、そんなふうに俯瞰視してる今の自分の状態では全然ダメ」とも話す。世間からは理解されにくいジョンドゥとコンジュの関係性だが、丸山自身はどのように感じているのだろうか?
「2人の中で関係性が成立してるんやったら、周りがとやかく言うことやないと思うんです。周囲が批判したり、評価することで、ひずみを作ってしまうこともある。僕個人としてはそこに口を挟むのは野暮なことなのかなと思います。人間って複雑にできてるなと思いますね」
<続きは、STAGE navi VOL.108をご覧ください。>
写真/岡本隆史 文/本嶋るりこ ヘアメイク/NOBU(HAPP’S.) スタイリスト/袴田能生(juice)
3月14日~30日:東京・サンシャイン劇場
4月4日~12日:大阪・森ノ宮ピロティホール
4月17日~19日:愛知・東海市芸術劇場 大ホール
原作:イ・チャンドン 翻訳:みょんふぁ 脚本・演出:山田佳奈 出演:丸山隆平、 菅原小春/田中俊介、岩本えり、富山 えり子、中原三千代、武藤晃子、久保貫 太郎/池田遼、石森美咲、上ノ町優仁 /深水元基/水橋研二
1983年11月26日生まれ、京都府出身。ソロの近作に舞台『ハザカイキ』(24年)『浪人街』『震度3』『赤堀雅秋一人芝居 日本対俺2』(25年)、テレビドラマ「FOGDOG」(25年)、映画『金子差入店』(25年)ほか。映画『名無し』(5月公開)が待機中。
