中原中也と小林秀雄に愛された女性を広瀬すずが体現
2月21日公開
第33回モントリオール世界映画祭監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』(09年)の根岸吉太郎監督と脚本家の田中陽造が、16年ぶりにタッグを組んだ注目作。夭折の天才詩人・中原中也(木戸大聖)と、文芸評論の巨人・小林秀雄(岡田将生)に愛された、女優志望の長谷川泰子(広瀬すず)。3人の青春の苛烈が鮮烈に描かれる。中也や小林との出会いと別れの先に、自らの人生を切り開いていく泰子を、広瀬が美しく体現する。中也の下宿部屋の窓辺でたたずむ横顔や、小林の的な求愛に戸惑う表情、2人の前でジルバを踊る笑顔など、時にあどけなく、時に妖しく、くるくると変わりながら、大人の女性へと変化する姿に見とれてしまう。
ココに注目 少女から大人へ大正モダンの美しい衣装
風にひらめく中也のマントをはじめ、大正時代特有のモダンな衣装も目に楽しい(衣装・大塚満、伊賀大介)。中でも、少女っぽいセーラーカラーから、大胆なダイヤ柄の着物、葬儀用のブラックドレスまで、和装も洋装も華麗に着こなす、泰子は圧巻。
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