人気の推理型体験ゲーム「八月のタイムマシン」が実写ドラマ化され、BS12 トゥエルビにて放送中だ。ダンスボーカルユニット「ICEx」の志賀李玖が初主演、八神遼介がドラマ初出演を飾り、さらに「ウルトラマンデッカー」で主演を務めた松本大輝も参加。90年代の田舎町を舞台に、「これから起こる幼なじみの死」を防ぐためタイムリープを繰り返す仲間たちを演じている。役への挑み方や、役者としてのそれぞれについて、3人に聞いた。
毎週日曜 後9:30~10:00 BS12
主人公の柏木蒼を演じました。蒼の純朴で素直なところは、福島出身の僕と重なるかなと思っています。僕自身はICExのメンバーで20歳。最近は健康のために自炊を始めました。卵クッパやオムライス、すき焼きとか作ってます。—志賀李玖
富永一茶役の16歳、ICExのメンバーです。最近筋トレを始めました! って宣言しておいたら続けられるかなと思ってます(笑)。一茶は淡々とした性格なので、声や表情をどうするかとか、監督とたくさんお話して作りあげました。—八神遼介
蒼の兄・柏木琉青を演じさせていただきました。作中の衣装が当時流行の“プロデューサー巻き”だったので新鮮でした(笑)。楽しいことと犬と海外ドラマが大好きで、「スターウォーズ」やマーベルの作品をよく見ています。—松本大輝
——志賀さんは初主演です。
志賀 最初はプレッシャーや責任感をすごく感じましたが、共演者やスタッフの皆さん、監督からのアドバイスなどで乗り越えることができました。
松本 初めての主演で不安もあったと思いますが、そう感じさせない座長でした。毎朝、誰よりも元気よく挨拶をして、場を盛り上げてくれていましたし、李玖の諦めない姿勢や、わからないことがあれば聞いてくる素直さがすごく素敵だなと思っていました。
志賀 たくさんアドバイスいただいて、すごく助かりました!
松本 いえいえ、アドバイスなんてそんな…(笑)。
八神 僕は普段はICExとしての顔を見てますが、「本番!」となるとりっくん(志賀)ではなく(役の)蒼になっていて、すごいなと思いました。りっくんの人柄の良さと空気感のおかげで現場が1つにまとまれた気がするので、共演者としてすごく救われた部分があります。
——八神さんは、ドラマ自体が初めてですよね。
八神 りっくんが一緒で心強かったです。
志賀 それは僕も同じ。俳優の八神は初めて見たけど、一茶役にすごくしっかりと向き合っていて尊敬しました。この作品は全体的に台詞が多めなのですが、特に一茶はタイムリープの説明をするために難しい言い回しが多いので、大変だったと思います。
——女子組3人も交えた皆さんは何度もリープを繰り返し、そのたびに少しずつ状況が変わって、それが謎の解明につながりますものね。
志賀 そうなんです。だから、一言一句合っていないといけなくて。
八神 りっくんもすごい量の台詞があったし、僕だけじゃなくみんなが頑張りました(笑)。ただ、僕は初めてだったので、台詞の覚え方もわからなくて。台本をスマホに入れて移動中に覚えたりしてました。
松本 でも、遼介は初ドラマと思えないぐらい本当に落ち着いていて、お芝居もすごく良くて!
八神 ありがとうございます(照)。
——松本さんはお芝居経験も年齢も一番お兄さんでした。
松本 それでも、何回目のリープを撮ってるのか分からなくなる時がありました(笑)。
志賀 そうは見えないほどものすごく頼りがいがありました。役のために作ってきたものを出す感じとか、すごく自然で自信にあふれているように見えて。アフレコで、まるで相手がいるかのように演技をしていらっしゃるのを見て、「僕も見習いたい!」と思いました。
八神 1カットごとの向き合い方がとっても自然で、「役で生きてる」というのを大切にされていてすごく勉強になりました。台詞合わせに付き合ってくださったり、お芝居のことをいろいろ教えていただきました。本当にありがとうございました。
——今作を経験したことで得たことや学んだことは?
志賀 僕はこれまで演技に自信がなかったのですが、今回皆さんに支えていただいて、自分の中で「やり遂げた感」があります。お芝居に対して苦手だなという意識がなくなったのは大きかったです。撮影期間も楽しかったですし、刺激をもらえた日々だったので、またお芝居にチャレンジしたいと思っています。
八神 ゼロを1にして頂けた作品だと思っています。ありがたいことに一茶という役をいただけたという環境が、僕にとっては宝ものでした。当たり前じゃないですよね。しかも、メンバーや事務所の先輩と一緒に伸び伸びやらせていただけて、すごく嬉しかったので、この経験を少しでも次につなげていきたいと思います。
松本 初主演や初ドラマという2人がいたからこそ、自分も初心にかえる思いで改めて気付かされることが多かったです。僕自身まだまだ学ばないといけないことばかりなのですが、年齢的にこうして後輩と一緒に仕事をすることも増えていくと思うので、僕も先輩方から受け取ったものを後輩たちに伝えていける存在にならないといけないなと思いました。
——今作の魅力は?
志賀 この時代にはタイムマシンはないので、人生にやり直しはきかない。〝今〟を悔いのないように生きたいと思ってもらえると嬉しいです。自画自賛してしまうくらいいいドラマになったと思います。
八神 事件のこととか、いろいろ考察しながら見てほしいです。
松本 一緒に謎解きしながら、最後まで面白く見ていただけると思います。
写真/中村嘉昭 文/早川あゆみ ヘアメイク/松田陵(Y’s C) スタイリスト/ホカリキュウ
志賀李玖(しが・りく)
2004年5月20日生まれ、福島県出身。
八神遼介(やがみ・りょうすけ)
2008年8月11日生まれ、愛知県出身。
松本大輝(まつもと・ひろき)
1999年3月29日生まれ、北海道出身。