3月7日公開の映画『顔だけじゃ好きになりません』で初共演した宮世琉弥とFANTASTICSの中島颯太。映画への熱量を感じさせる2人に、作品や演じた役への思い、楽しかったという撮影現場の話を聞いた。同世代の2人が、共に刺激を受けたこととは——?
3月7日公開
——宮世さんが演じられた宇郷奏人は、外見が良すぎるあまり中身を見てもらえないことが悩みのキャラクターです。一方、中島さん演じる土井垣凌も内面に複雑さを抱える、原作ファンの多いキャラクターですが、ご自身の役、いかがでしたか?
宮世 僕たちの仕事も、どうしてもビジュアルで判断されることが多いお仕事だとは思うので、演技を見てもらえる役者になれたらっていう気持ちはわかりますが、共感はあまり……。自分のこと、本当にイケメンとは思っていないんです(笑)。
中島 まあまあ、言わせておきます(笑)。
宮世 (笑)。自分ではそう思っていないですし、こういうラブコメ作品も大事にしたい一方で「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」みたいな人間臭い部分を描いた作品も僕自身好きなので、そういう作品でもちゃんとお芝居で表現していきたいっていう思いがあります。中身をちゃんと見てもらいたいっていう思いは誰しもが持っているものだと思うので、僕自身が過去に感じたことと照らし合わせて、宇郷奏人の内面もちゃんと分析して演じたいと思いました。
中島 土井垣くんも最初は顔を隠しているので内面がわかりづらくて、暗いキャラクターに見えるかもしれないんですけど、そんなことはないんです。原作もそうですけれど、この映画が素敵だなって思うのは、それぞれのキャラクターの人間味や弱いところ、内面が描かれているところで、そういうところを好きになっちゃうんです。だから、土井垣くんのそういう面、実は周りを冷静に見ていて、お兄ちゃん気質で頼りがいのあるところも出せたらいいなと思って演じました。原作のファンの方が多いキャラクターなので、SNSのコメントも全部見て、共感して、繊細に演じたいと思いました。
——お2人は初共演ですね。
宮世 そうです。ただ、初対面ではなくて。
中島 メンバーと共演していて、ごはんに行く時に僕も会っていました。
宮世 第一印象は、すごく柔らかくて。プライドはあると思うんですけど、それを周りに出さないですし、裏で努力するタイプの方なのかなって。撮影に入ったら、音楽活動しながら撮影に参加されていたのに、その大変さを現場で一切出さないんです。最初に感じたこと、合っていたなと思いました。
中島 琉弥も先輩に好かれるだろうなという印象でした。クールというか、そんなに話す人じゃないと思っていたんですけど、この現場に入って、琉弥がいろいろな人に話しかけていくと、どんどん輪が広がっていくんです。こんなに人に興味があって、自分から話しかけに行く人なんだなって、ちょっと印象が変わりました。いっぱい話しかけてくれるし……っていうかボケてくるし(笑)。
宮世 (笑)。
中島 近づいてきて、ボケて。そのままツッコミを聞かずに帰っていくんです。
宮世 ツッコミ入れてくれるんですけど、弱いんです(笑)。
中島 言うてますわ(笑)。真面目な話の直前でもボケてくるから、ちっちゃく(小声で)反応していたのに……。
宮世 今のもボケよ(笑)。
中島 あ、そういうことか(笑)。
——撮影していて、お互いに刺激を受けたところを伺えますか?
中島 本当に演技することが好きなんだなと思いました。直前まで話していたのに、本番に入った時にスイッチが入るんです。この台詞やこの表情をものすごく考えて作り込んできて、僕やスタッフさん、カメラマンさんみんなに伝えたいんだなっていうものが伝わります。そういう迫力が伝わる演技をしてきた時に、ああ、さすがだなと思いました。いろいろな状況を考えて、宇郷奏人を表現した顔だったな、動きだったなというのを所々で感じたので。
宮世 土井垣くんに関しては、僕、演技のお仕事を始めさせていただいたのが中学1、2年生なんですけど、その時はやっぱり何もわからなくて。現場に入って、監督にイチから教わったんです。なので、知らない現場に行く怖さも知っていましたし、緊張もするだろうなと思っていたんですけど、そんな感じが一切しなかったです(笑)。
中島 え〜(笑)。
宮世 映画の長編で、出演シーンも多くて、原作のキャラクターを演じるプレッシャーもあったと思うんですけど。この先どうなっていくんだろうな、すごいなっていうのがすごく楽しみでもありつつ、ちゃんと自分も頑張っていこうと身の引き締まる刺激を与えてくれました。すごかったです、ぶつかるシーンもあったんですけど。(映画出演が)2本目の方には見えないです、お芝居が。
中島 嬉しいです。クランクアップの次の日に「あのシーン、マジで良かった」って言ってくれたんです。直で言ってくれたのを覚えています。
宮世 トンネルで2人でしゃべり合うシーンね。
中島 土井垣が宇郷奏人に思いを伝えるシーン。心をこめて言ったので、それを感じていただけたのが嬉しかったです。
<続きは、日本映画ナビvol.116をご覧ください。>
Ⓒ2025『顔だけじゃ好きになりません』製作委員会
写真/福本邦洋 文/多賀谷浩子 ヘア&メイク/[宮世] 松田陵(Y’s C) [中島] Kyoko Kato(Luana) スタイリスト/[宮世] 徳永貴士 [中島] 平松正啓(Y’s C)
衣装/[宮世] ジャケット ¥177,100、シャツ ¥78,100、パンツ ¥72,600すべて参考価格(Junn.J/CORONET/03-5216-6513)、その他スタイリスト私物
24年1月22日生まれ、宮城県出身。19年に俳優デビューを果たし、24年『恋わずらいのエリー』で初の映画W主演。本作が単独初主演となる。現在『アンダーニンジャ』(1月24日)『遺書、公開。』(1月31日)が公開待機中。24年にアーティストとしてメジャーデビューを果たすなど、幅広いジャンルで活躍している。現在ドラマ『問題物件』(毎週水曜22時/フジテレビ系)に出演中。
1999年8月18日生まれ、大阪府出身。18年にFANTASTICSのボーカルとしてメジャーデビューを果たし、24年『逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION』で映画初出演。主な出演作にテレビドラマ「君があざとくて何が悪いの? 〜僕らの恋日記〜」(22年)「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(24年)など。レギュラーラジオ「DESIGN YOUR FANTASTIC FUTURE」(FM802)が放送中。