コロナ禍で甲子園出場の夢を絶たれた元球児の大学生が、太平洋戦争中の昭和17年にタイムスリップ。戦争による夏の甲子園中止を経験した若者たちと共に、戦時下に一度だけ開催された“ 幻の甲子園” への出場を目指す─。令和を生きる青年・令児を演じる藤井直樹と、戦時下を生きる昭夫を演じる岡﨑彪太郎の2人に、本作の見どころや互いの印象、さらにそれぞれの今の思いを聞いた。
─お話を聞いた際はどう感じましたか?
藤井 まず野球を題材にした作品ってことに驚きました。だって僕、バラエティー番組でボールを真下に投げるような人間ですよ(笑)? 起用してくださった方は、きっと「今の藤井に足りないものは野球だ!」って考えたんじゃないかな。
岡﨑 あはははっ! 僕も最初はビックリしました。今までそんなに関わりがなかった藤井ちゃんと一緒にやるっていうのもそうやし、全国5カ所で公演をやらせてもらうってことにも驚きましたし。キャストさんもすごい方がいっぱいいらっしゃるし、気合いを入れないとなって思ってます。
藤井 髪、だいぶ伸びたね。
岡﨑 伸びましたね~。(ビジュアル撮影用に)坊主にしてから2カ月ぐらいかな。
藤井 次はいつ切るの?
岡﨑 本番直前に、またバッサリいこうかなって思っています。
─今作は令和に生きていた元野球少年の令児(藤井)が突然、太平洋戦争真っ只中の昭和17年の東京にタイムスリップ、そこで主将の昭夫(岡﨑)をはじめとした野球部員たちに出会うという物語です。この作品の印象は、いかがでしたか?
藤井 令児はコロナ禍のせいで夢をかなえられなかった青年。そういう部分の悔しさは僕も経験していたので共感しました。
岡﨑 コンサートが無くなった、とかね。
藤井 そうそう。流行り病で全てのものが止まってしまうっていう嘘みたいな本当にあった話が、(令児がタイムスリップすることによって)戦争とどう関わってくるのか。そこがこの物語の大事なポイントになるのかなと思いました。こたちゃん(岡﨑)は戦時中に生きた人を演じないといけないから、きっとより難しくて大変だよね。
岡﨑 そうなんですよね、僕は戦争なんて大反対な人なので「俺も戦いに行きます!」って言える当時の心境ってどういうものなんやろう、不思議やなって感じるというか。でもコロナは僕も高校生の時に経験しているので、心情的な面では少しリンクして考えられるかもって思ってます。
─野球の自主練習も開始済みですか?
岡﨑 ちょっとずつ走るようにしてます。あとは少しだけ体を絞ろうかなって。
藤井 僕も、まずは体重を増やすところから始めてみています。
岡﨑 ガタイは大事。
藤井 うん。ビジュアル撮影の時に見た自分の腕の細さに、ガックリしてしまいまして(笑)。これはマズいなと思ったので、少しでも筋肉を付けて体を変えていけるように頑張っていきます。
岡﨑 令児は剛速球を投げるからね。
藤井 そう、投げれる感を出さないと。
─お2人は、最近では年始の『SHOWbiz2025』で共演されましたね。
藤井 そうですね、こたちゃんは柔らかで優しいマシュマロみたいなイメージ。
岡﨑 柔らか…(照)。藤井ちゃんもどんなことも受け止めてくれそうな優しいイメージなんですけど、面白い印象もあるんですよ。『SHOWbiz』の時もコンサート終わりの締めをやってくれていて、しかもちゃんとみんなを笑わせてたし。
藤井 あははっ(笑)! こたちゃんはシアタークリエ(の公演)にも来てくれたことがあるよね。僕もコンサートを見に行ったことがあるし。
岡﨑 ええっ!?
藤井 あれ、知らない?
岡﨑 最近ですか?
藤井 東京でやっていた時。
岡﨑 ということは、去年の東京ガーデンシアター? いつの間に…。
藤井 いましたよ(笑)。
岡﨑 ぼ、僕も去年は大阪城ホールのライブに行きました!
藤井 そうだよね、来てくれてた。こたちゃんは優しいけど、パフォーマンスの時はクールでかっこいいところもあるよね。あとダンスはセクシー。
岡﨑 わぉ、セクシー。嬉しい…。藤井ちゃんはコンサートを見ていても、常に「絶対に大丈夫やろ」みたいな安心感というか、安定感がある気がします。それって、すごいし良いところですよね。
藤井 常にアイドル100%なんで。
岡﨑 ホントにずっとキラキラしてる。
<続きは、S T A G E navi vol.103をご覧ください。>
写真/竹中圭樹(アーティストフォトスタジオ) 文/松木智恵
コロナ禍によって甲子園出場の夢を絶たれた元高校球児で、大学4年生の森下令児(藤井直樹)は、 ある日突然太平洋戦争真っ只中の昭和17年の東京へタイムスリップ。そこで出会った野球部主将の津田昭夫(岡﨑彪太郎)に腕を見込まれ野球部に入部することになり…。
作:羽原大介 演出:木村弥寿彦 出演:藤井直樹 岡﨑彪太郎/前島亜美 福室莉音/生田俊平 佐野遥喜 小川丈瑠 琥城雄太/ 校條拳太朗 宮地真緒/永井大 ほか
8月23日~31日 東京・サンシャイン劇場
9月6日~14日 大阪・大阪松竹座
9月20日 石川・金沢市文化ホール
9月23日 広島・広島国際会議場フェニックスホール
9月26日~28日 愛知・御園座
ふじい・なおき
2000年9月18日生まれ、千葉県出身。近作に舞台『甘美なる誘拐』(24年)『恋ひ付喪神ひら』(25年)、テレビドラマ「春は短し恋せよ男子。」(23年)など。
おかざき・こたろう
2004年3月23日生まれ、大阪府出身。近作に朗読劇『一富士茄子牛焦げルギー』(23・24年)、テレビドラマ 日越外交関係樹立50周年記念ドラマ「ベトナムのひびき」(24年)など。